言語明瞭意味不明であるが、“中道”を目指したいというのはなんとなく分かる。続いて同党は根本理念として「共生」を掲げていることが記載されている。

 同党における「共生」とは、「人間が個人として生きる存在ではなく、歴史的な時間軸、社会的な関係性、地球的な空間の中でのみ存在し得るとの自覚に立って、共に生きる」こととしている。

「地球的な」という表現や考え方を用いるのは、人が特定の国や地域にひも付けられた歴史的な存在であることや、社会的な関係性の中で生きていることとの矛盾を感じざるを得ないが、総論としては保守思想の基本的な考え方そのものであり、本来的な意味でのリベラリズムとも通底するところがあり、国民民主党が目指す「中道政党」という方向性とおおむね合致するものであると評価できよう。

 しかし、具体的な政策の方向性として記載された「日本をアップデートする」の内容は、こうした「根本理念」とはおよそかけ離れた、ある種矛盾するものであると言わざるを得ないだろう。

 まず自分たちのことを「未来を先取りする改革政党」であるとし、「世界は驚くべきスピードで変化して」いるから、日本は「錆びついたレールを磨く」ような、「過去の成功体験に囚われている暇」はなく、「未開の荒野に新たなレールを敷くつもりで」改革に取り組まなければならない、とする。

 これはこれまで日本が築き上げてきたものを捨てて、新しいものを創れと言っているに等しく、基本理念で言っている歴史的な存在としての「時間的な共生」を捨て去れと言っているのと同じである。

 次に、人工知能を筆頭に技術の進歩が従来のライフスタイルや社会経済の在り方を大きく変えつつあり、それらの活用により少子高齢化や人口減少といった問題の解決にもつながるとし、「最新の科学技術の発展を官民あげて応援するエコシステム(生態系)を作り上げ、革新的イノベーションによって経済成長の実現や社会問題の解決をめざす「イノベーション・ニューディール政策」を推し進め」、そのための「投資を促す大胆な規制緩和や減税・非課税策を講じていく」としている。