小室 なるほど。産後に復帰した女性が限られた時間で働くために時間当たりの生産性にシビアになり、段取り力がすごく向上するという話はよく聞きますが、短時間フライトも質を高めて満足度を上げるトレーニングになるんですね。そういう事情は、乗っている側は気づきませんでした(笑)。

大川 お客さまに気づかれないようにするのが大切なのです。「忙しそうだったね」と言われるのは、乗務員として失敗だと私は思っています。

「精神論を説くだけではダメ」
本腰を入れた働き方改革の成果は?

小室 今のお話にも出たように、JALでは以前から女性が仕事と家庭を両立するための仕組みが進んでいたと思いますが、一方でJALはここ数年、さらに働き方改革について加速している印象もあります。

大川 全社的にダイバーシティのコミットメントを出したのが、2014年3月。ワークスタイル変革を本格的に始めたのは2015年からです。

 私たちは、意識改革とワークスタイルは両輪であると言っています。精神論を説くだけでなく、ITツールを導入したり、テレワークなどの働き方の仕組みを導入したりすることで、環境整備もかなり進んできました。

小室 意識改革が進んでいなかった頃は、どんな感じでしたか。

大川 2003~04年ころ、私が機内販売グループ長をしていたことがありますが、とても忙しい日々でした。

 業務の中にしっかり頭を使って考える仕事と、作業的な仕事があり、「作業的な仕事だったら在宅でもできるのに」「もっと効率のよいやり方があるはず」と思ったのを覚えています。ただ、当時はツールもなく、在宅勤務という考え方もほとんどなかったですからね。