ゆえに今回、深夜の嘔吐を英俊さんに見つかり、“愛情いっぱい”に検査入院させられたのには正直、大迷惑している。

 かといって、過食症を打ち明けるのも気が引ける。自分はちょっとだけ、自制心が不安定なだけなのだ。

原因不明の嘔吐は
過食症のサインではないのか

 メンタルヘルスの本を読むと、「拒食は、本人の『わがまま』のせいではなく、過食は、本人の『意思が弱い』せいではありません」と書いてある。また、回復した患者の多くが、「(回復の決め手は)家族や身近な人が病気について理解してくれたのが大きかった」とある。

 果たして愛由さんは、英俊さんに打ち明けて、理解してもらうべきなのだろうか。

 決めかねているうちに3日間は過ぎ、「異常なし」の診断を得て、愛由さんは退院した。

 主治医が消化器内科だったので仕方ないのかもしれないが、若い女性が原因不明の嘔吐を繰り返している場合、摂食障害を疑って精神科を受診させてみてもいいかもしれない。

 このケースのように、夫はもちろん、誰にも打ち明けられないまま抱え込まれている摂食障害は、おそらくかなり多いに違いない。

(医療ジャーナリスト 木原洋美)