米朝首脳会談の中止を伝える韓国のテレビPhoto:AP/AFLO

会談中止に関する書簡は
北朝鮮に対する強いメッセージ

 米国のトランプ大統領は5月24日、6月12日に予定されていた米朝首脳会談の中止を告げる金正恩朝鮮労働党委員長宛ての書簡を公表した。その中でトランプ大統領は、北朝鮮が示した最近の「怒りとあからさまな敵意」を理由に、首脳会談を「この時期に開催するのは適切ではない」としている。

 米国のホワイトハウス当局者は、トランプ大統領の書簡発出の直接的な契機になったのは、5月24日に公表された北朝鮮の崔善姫外務次官の談話だったと述べている。ペンス副大統領が米国のテレビ番組で、北朝鮮に対する軍事的対応を排除しない姿勢を示し、「リビアのように終わる」と発言したことを非難する談話だ。

 ペンス副大統領はそれまでにも、「北朝鮮は守るつもりのない約束をめぐって米国から譲歩を引き出そうとすべきではない」「トランプ大統領を手玉にとれると思ったら大間違いだ」と語っており、会談を取りやめる可能性はあるのかとの質問に「疑いを挟む余地はない」と答えていた。