(2)定期預金は置いておいてローンを組む

 これもよくありがちな話だ。例えば、200万円の自動車を買いたいと思ったとき、手元には住宅の頭金として積み立てていた住宅積立定期が同じ金額だけあるとする。さて、この場合、定期を解約して買うべきか、それともその定期はそのまま置いておいて、オートローンを組んで買うべきか。多くの場合、人は定期預金を解約せず、ローンを組んで車を買うという行動を取る。

定期預金利息の200円を
失いたくないため4万円支払う

 もちろん金融資産が、定期の200万円しかないのであればローンを組むのもやむを得ないだろう。ただ、そういう場合は、そもそも自動車を買うべきではない。ちゃんとお金を貯めてから買うべきだ。ところが、他にいくらたくさん定期預金があっても自動車を買う時にはそれを解約せず、ローンで買うという人が少なからずいるのだ。

 これは論理的に考えると極めておかしな行動。なぜなら経済合理性が全くないからだ。現在の定期預金金利は0.01%、それに対してオートローンは2%以上のものが多い。定期を解約することで失われる利息は、年間200万円×0.01%=200円だ。これに対してオートローンを利用すると、払うべき利息は初年度で年間200万円×2%=4万円となる。どう考えてもローンは使わずに定期を解約したほうが得だ。

 にもかかわらず、そうせずにローンを組むという行為は、「定期預金の利息の200円を失いたくないために、金利の4万円を支払う」という実に不合理極まりない行動ということになる。

 なぜそんな行動をしがちになるのだろう。それは、せっかく積み立てた定期を解約すると損だという気持ちが強いからだ。「今までコツコツと積み立ててきたのに、解約するとまたイチから始めなきゃいけない」、それが住宅積立だとしたら「これを解約するとマイホームの夢が遠のいてしまう」という感情が生まれてくるのだ。