寝室の小さなLEDの光がここまで脳に悪い理由

シリコンバレーでIT企業家として長年活躍してきた著者が、ITの専門家としての技能を生かして、自らの体を「バイオハック」し、さらには23年の歴史を持つパロアルトのNPO、シリコンバレー保健研究所の所長(後には会長)として、さまざまな医学分野のエキスパートからの知識も総合し、現在の科学の最先端の脳の機能UP法を1冊にまとめた。タイトルは『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』。本稿では、同書から特別にそのハイライトを紹介したい。

「正しい時間」に「正しい周波数」の光を浴びる

 脳に燃料を与えるための食事はほんの手始めにすぎない。光への曝露、寒冷への曝露、睡眠、瞑想、運動といった習慣は、ミトコンドリアを支えてくれ、初日からパフォーマンスに真の影響を及ぼすことができる(ミトコンドリアが脳や体を強化する理由については本書を参照)。

 これらは小さな変化かもしれないが、しばしば行なうことだから、影響は蓄積されていく。2週間であなたのライフスタイルにこれらの変化を実行したあとでは、明らかにプラスの結果が表われることだろう。

 光との接し方の変更は、あなたの毎日のパフォーマンスに甚大な影響をもたらす。

 エネルギーと睡眠の質を最大化するには、ジャンクライトを避けて、一日のうちの正しい時間に正しい光にさらされなくてはならない。これはきわめて重要なことだ。脳の強化プログラムを始めるにあたり、自分をジャンクライトから守るために、少し時間をとって、以下のステップを完遂しよう(ジャンクライトとは、不自然な人工光のこと。詳しくは記事「ふだん家で浴びている「○○の光」で健康が悪くなる」を参照)。

1.電子機器の「青、白、緑」のLEDをブロック

 これは1回するだけでいい! 家の中を見てまわって、青、白、緑のLEDを絶縁テープなどでふさごう(赤は除外)。これらはエアコン、テレビ、USBチャージャー、その他さまざまな電子機器についているだろう(青、白、緑のLEDがもたらす大きな害については本書を参照)。

2.電子機器の「ブルーライト」をハック

 あなたは毎日、スクリーンを長時間見つめて過ごしているはずだ。そうしている間にミトコンドリアに負担がかかるのを避けることが大切になる。まずはコンピュータのライトをハックすることだ。無料ソフトのf.lux をインストールしよう。僕は12年以上これを使っている。無料ソフトだが、目的を支持するために寄付を配慮してほしい。

 このソフトは自動的に夜間、画面のブルーライトをカットしてくれる。設定画面に入って、日中もいくらかブルーを除去するように、また夜間はなるべく多く除去するようにしよう。ブルーライトへの曝露が減れば、睡眠は改善され、一日の終わりの頭のもやもやもなくなるだろう。

 もし仕事上で正確な色調が必要ないのであれば、スマートフォンもバックライトを抑えて、最も暖かい色の設定にして一日中保とう。

 スマホ、ラップトップPC、タブレット、その他のご使用の電子機器には、f.lux や設定でブルーライトをカットしていても、さらにブルーライトカットの液晶保護フィルムを貼る価値がある。画面をやや暗くするソフトは役に立つが、LEDライト自体を変えられるわけではないので、それでもまだ青色光が出すぎている。

 だがフィルターを貼れば残りの青色光をキャッチし、より良い眠りへ導いてくれる。いったん貼ってしまったら、もうこのことは二度と考えなくていい。

 テレビも管理しよう。設定画面に入って画面の明るさを落とし、青の色調を減らそう。ただし、日中はより明るく、夜間はより暗めにしたければ、定期的に微調整が必要になる。