3.「睡眠の2時間前」から照明を薄暗く
ハーバード大学の睡眠の研究者、スティーヴン・ロックリーは、夜間の少しの照明でも──通常の読書灯よりはるかに小さな光でも──メラトニンを減少させ、睡眠を悪くすることを発見した(*1)。
メラトニンの欠如は、ミトコンドリアのパフォーマンスを低減させる。
家の中でなるべく多くの場所に、とりわけ寝室、居間などの寝る前に時間を過ごす部屋に調光スイッチを設置しよう。いくつかのランプにコード式の調光スイッチをつなぐことから始めてもいい。値段も手ごろでネット通販で買えるし、これを使うために配電盤をどうやって取り除くか知る必要もない。
就寝2時間前には照明を薄暗くするか、たいていの照明を、とりわけLEDや電球型蛍光灯は消してしまおう。LEDライトは少し灯っているだけでも体を混乱させる。白色LEDは他の屋外照明より5倍多くの虫を引き寄せるが、虫を混乱させるのと同じ作用をヒトの脳にも引き起こす。
就寝前に部屋を薄暗くすれば、体はメラトニンを生成しはじめ、少しずつ眠りに入ることができる。電気の光の代わりに、ろうそくを使っている人はその雰囲気と健康的な光スペクトルゆえに、ボーナスポイントを進呈する。
4.寝室の遮光を徹底し「眠りの洞窟」をつくる
寝室はなるべく暗くすることが不可欠だ。暗幕を使っても布をピンで留めてもいいので、あらゆる光源をふさぐこと。都会に住んでいるなら、戸外の光を通さないものを掛ける。
この2週間、寝室のカーテンは見苦しくなるかもしれない。そしてどれほどよく眠れるかを観察した2週間後、本物の遮光カーテンが欲しくなるだろう。僕がなぜ、ろくでもないカーテンしかないホテルの部屋に泊まるときは窓に毛布をピン留めするかも理解してもらえるだろう!
次に、目覚まし時計を葬ること。それが闇の中でも見えるのなら明るすぎるということだ。そしておそらく電磁場(EMF)をつくっていて、これまた睡眠に影響を及ぼす。ベッドから遠ざけるか覆いを掛けるか、片づけてしまおう。携帯電話を機内モードにして目覚まし時計として使おう。お望みならば、スマートフォンを利用して睡眠を追跡することもできる。携帯電話のマイクを使って、いつ深い眠りに入っているかを知ることができるアプリが何十個とある。僕はブレットプルーフのサイトで優秀なアプリのリストを更新しつづけている。
寝室とバスルームの照明もアップグレードしよう。寝室の電球形蛍光灯や白色LEDをワット数の低いハロゲンランプに替えるか、アンバー(琥珀色)または赤の電球の照明にしよう。アンバーや赤の電球はおかしく見えるかもしれないが、蛍光灯やLEDのように眠りを妨害することはない。
2週間のプログラム中に電気の照明の代わりにろうそくを使ってみよう。新しい電球や調光スイッチを買うより安上がりだ。そのうえ、まったくアナログで妙にくつろげる。
バスルームまでの通路に常夜灯を使っているなら、赤色かアンバーにしておこう。僕は子供たちのために、バスルームにアンバーの常夜灯をつけている。
何をするにせよ、この2週間は睡眠エリアにはCFL(カールさせた蛍光灯)や白色LED電球はつけないこと。寝室に、電源を示す小さなものでもLEDの光があるなら、絶縁テープなどでふさぐべきだ。一度やるだけで、以後は毎晩の睡眠が改善されるだろう。
そしてこのことは体に重大な影響を及ぼす。ハーバード大学のある研究によれば、体内時計が崩れた人は血糖値が高くなり、満腹感をもたらすホルモンであるレプチンの数値が低くなったという。
幸いなことに、あなたの目とミトコンドリアをオフィスや地元のコーヒーショップや食料品店、そして特に最悪のジャンクライトに取り囲まれる飛行機の機内で守るための、シンプルなステップが存在する。