駆け込み需要とその反動減では一定期間をならしてみれば消費減はなかったと暗に前提していることになるが、そうではなく本当の「増税効果」があったから消費が落ち込んだのだ。

 もし、今回もその「増税効果」を完全になくしたいのなら、理論的に最も正しい方法は、8%から10%への消費増税を行うと同時に、全品目を8%軽減税率の対象として適用することだ。

 何やら笑い話のようだが、理論的に最善策を考えると、こうなる。このことを筆者は、実際に国会に参考人として出席した時に答弁したことがある。

 もともと、本コラムで何回も指摘してきたようにすでに財政再建をする必要は乏しいので、あえて消費増税を実行する必要はない。

 それでも、政治的な理由で実施するというのなら、対応策は上記のような理論的な最善策に可能な限り近づけるべきだ。

 何にも増して景気を過熱させておくことが必要だ。そうしておけば、本来の「増税効果」をかなり相殺できるはずだ。

やるなら過熱するぐらいの財政出動必要
増税を延期するのが「正解」

 そのために、即効的な対策は有効需要を高める減税を含む財政出動だ。

 それも一度きりの補正予算でやるより恒久的な本予算のほうがいいし、少なくても複数年度は必要だ。手法としては広い範囲で財政出動をしたほうがいい。

 可能であれば、所得税減税と給付金の組み合わせにすれば、全品目軽減税率適用に近い経済効果になる。

 規模としては、恒久的な措置であれば消費増税額に見合う数兆円規模でもいいが、一時的な措置であれば10兆円以上の規模で行って景気を過熱させることが必要になる。

 現在の需給ギャップなどから、これぐらいの規模の財政出動であれば、景気は過熱させるだろうから、増税によって「冷や水」をかけてもいいだろう(3月8日付本コラム「失業率2.4%でも、金融緩和の「出口」論が時期尚早な理由」を参照)。