「特にあの課長は、持ち上げられたがりだから、人から必要とされたいって気持ちが人一倍強いんだよ。『あなたがいないとダメなんです』っていうのを態度で示さなきゃ」
「なるほど。ありがとうございました」

 彼は課長との会話を振り返ってみて、思い当たる節がおおいにあったのです。以来、彼は課長との接し方を考えました。次の日、彼は進めている仕事のことで課長にこう切り出しました。

「課長、すみません、ここがどうしてもわからないのですが、アドバイスをいただけますか?」

 すると課長は、「どれどれ、しょうがねえなあ」などと口では言いながらも、明らかに嬉しそうな表情を浮かべているのが垣間見えました。

 相談した彼は、先輩のアドバイスを聞いて目から鱗が落ちるとともに、“頼られないと拗ねてしまう”という上司の子どもっぽさに、何とも言えない面倒くささを感じてウンザリしてしまったのです。

“構って上司”ほど
えこひいきが強い理由

 本書の著者・榎本氏によれば、このタイプはとにかく持ち上げられるのに弱く、持ち上げられないと機嫌を損ねてしまうといいます。

 このタイプを上司に持った場合、その本性を熟知しているしたたかな人は、自ら腰巾着として振る舞うようになります。上司が会議で発言しようものなら、

「さすが課長、それは鋭いご指摘です」
「その点は気づきませんでした」

 と、すかさずヨイショを送るようになります。

 もし、その上司が的外れな発言をして、部下たちが内心「何を言ってるんだ!?全然わかっていないんだな」と思っていても、したたかな腰巾着から、

「それはとても重要なご指摘だと思います」

 などと持ち上げられると、ご満悦の表情になり、周囲の人間を鼻白ませるのです。

 このタイプは自分を持ち上げてくれる人、構ってくれる人、自分を頼りにしてくれる人ばかりを周囲に置きたがる傾向にあります。

 その結果、部下を「自分を構ってくれるかどうか」や「自分を持ち上げてくれるかどうか」で選り好みし、えこひいきをする傾向があるそうです。

 部下としては、常に上司のご機嫌をうかがい、上司が拗ねてしまわないように余計な配慮をしなくてはならず、面倒なことこの上ありません。