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熱狂のサウス・バイ・サウスウエスト2012レポート
注目は人探しアプリ「Highlight」とバーチャル冷蔵庫「Pinterest」
――熊坂仁美・ソーシャルメディア研究所代表

熊坂仁美 [株式会社ソーシャルメディア研究所代表取締役]
2012年4月13日
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 筆者がSXSW開催期間中に宿泊していたホテルからイベント会場までは遠かった。そのため、毎日シャトルバスを利用していたのだが、朝のピーク時にはバスがなかなか来ない。そこで、バスを待っていた他の参加者数人とタクシーに分乗することになった。

 分乗した4人は、同じイベントに出かける同志のようなもの。自然と車中で自己紹介をした。筆者の隣に座っていた人の名前はBrendanで、サンフランシスコから来たアプリ開発会社の営業マンだということがわかった。

 そこで筆者がBrendanに何気なく「Highlight入れてる?これすごいですよね」と言うと、彼はその場でアプリをダウンロード。面白かったのは次の瞬間だ。たった今、偶然タクシーに乗り合わせただけなのに、なんとお互いの画面にお互いのプロフィールが表示されたのだ。これには思わず笑ってしまった。

 Brendanと筆者で共通している項目はFacebookページ一つだけ。いったい何だろう?と見ると、アメリカの大手デパート「Macy's」だった。Brendanも筆者も、Macy'sについて「いいね!」をしていた。

Brendanの情報が表示された。

 「Macy'sのアプリもクールですよね」と私が言うと、男性はまじめな顔で、「Macy'sは当社のクライアントです。アプリも当社が作ったんです」。私はびっくりし、そこでひとしきりアプリの話で盛り上がった。

 想像してみてほしい。もしHighlightがなかったら、現地に着くまでのわずか15分では、天気や混雑状況などの一般的な話で終わっていたはずだ。たとえ名刺交換したとしても、彼の会社のクライアントであるMacy'sの話まではたどり着かない。共通項があらかじめわかって、その人の仕事にまで踏み込んだ会話がすぐにできる。さらに、アプリにはお互いに相手のデータが残るので、名刺交換せずとも、後で連絡を取ることも可能だ。これが、Highlightの凄さである。

 知り合いが自動的に表示されるというと、なかには「気持ち悪い」と嫌悪感を持つ人や、「ストーカーに悪用されるのでは?」「営業メールがきたら困る」など不安を覚える人もいる。Highlightは常識や安心領域を出たサービスかもしれない。

 ただ、一つ言えるのは、テクノロジーによって人との出会いが新時代を迎えたということだ。言葉で説明してもピンと来ないと思うので、興味のある方は、ぜひ実際にアプリをダウンロードして、体験をしてみることをおすすめする(Highlightは現在iPhoneのみ。Androidユーザーには同様のサービスGlanceeをおすすめする。ただし、両方ともまわりにアプリを入れている人がいなければ表示されない)。

インタレスト系サービスの代表格
“バーチャル冷蔵庫”Pinterest

 昨年暮れからアメリカを中心に大ブームになっているPinterest(ピンタレスト)は、写真に特化したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)だ。自分の気に入った写真を集めてジャンルごとにコレクションボードを作る。ユーザーは女性、それも主婦層が中心で、中毒者も続出している。この2月には、アメリカ国内だけで1800万人が訪問し、アパレルブランド、小売業、旅行業、フードサービス、メディア、教育機関などのビジネスアカウントも急増。先日はソーシャルメディアの使い手で知られるオバマ大統領も公式アカウントを作った。

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熊坂仁美
[株式会社ソーシャルメディア研究所代表取締役]

株式会社ソーシャルメディア研究所代表取締役。Facebookをはじめとしたソーシャルメディアのビジネス活用の実践研究家。定期的に渡米し、最新のソーシャルメディア動向をチェックしている。企業のソーシャルメディア導入および運営のコンサルティングを行う傍ら、ソーシャルメディアのビジネス活用についての企業研修や講演を 全国で行っている。独自理論「好感アクセス収益モデル」と海外事例の研究をまとめた『Facebookをビジネスに使う本』(ダイヤモンド社)は、Facebook、Twitter、YouTubeでの口コミにより発売前からアマゾン部門1位を取り、ベストセラーとなる。 「Facebook使い方実践講座」はこちら

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