携帯電話や家の鍵、デジカメなどを失くした経験のある人は、結構多いのではないだろうか。筆者も車の鍵や財布を失くした経験がある。
こういうそそっかしい性格なので、以前は有料のMobile Meサービスに加入しないと使えなかったAppleの「Find My iPhone」(iPhoneを探す)機能が今年1月から無料化されたときには、本心からありがたいと思ったものだ。
すでにご存じの方も多いと思うので詳細は省くが、「iPhoneを探す」アプリとは、iPhoneをどこかに置き忘れても、事前に設定さえしておけば、icloud.comにサインインして地図でiPhoneの位置を確認できるというものだ。また、メッセージを表示させて拾った相手に知らせる、音を鳴らして置き場所を教えるという機能も備えている。
11月末にスタートしたばかりの「Fownd」アプリも、紛失したiPhoneを見つける手助けをしてくれるサービスだ。アプリをインストールすると、iPhoneのホームスクリーンを設定するよう指示される。ホームボタンを押すと最初に表示されるこの画面に、「iPhoneを見つけたら○○○○へXXXX(iPhoneに割り当てられたタグ番号)とテキストしてください」というメッセージを含ませるのだ。誰かがiPhoneを拾い、この番号にテキストメッセージを送ると、筆者が登録しておいたメールアドレス宛にメッセージが送られてくる。つまりFowndが、落とし主と拾い主を仲介してくれるのだ。
ではFowndのどこが面白いかというと、見つけてくれるのがiPhoneだけではないことだ。同社が販売しているタグを購入し、デジカメや車の鍵、パソコンなどに貼ると、同様のサービスが利用できるのである。
タグはベーシック(モノクロ、10枚セットで99セント)、カラー(青色、10枚セットで1.99ドル)、コンポジット(4枚セットで2.99ドル)の3種類。実はFacebookで「いいね!」を押したらカラーが99セントになるというので注文したのだが、残念ながら記事には間に合わなかったので、同社が提供しているタグの写真を載せておく。タグにはそれぞれ1つしかない番号(アルファベットと数字による)が割り当てられている。
何よりうれしいのは、このサービスが無料で受けられるということだ。タグは購入する必要があるが、安いものだ。またタグ5枚分のIDは無料でもらえる(これは自分でシールにでも書いて貼るという手作業が必要だ)。
なお、同社のサービスは「テキストメッセージ」――日本でいうところの「ショートメール」を利用しているが、日本ではまだサービスを開始していないため、残念ながら現時点では米国でしか利用することができない。日本でも展開されれば、私のような忘れ物の多い人間には本当に便利だろうと思う。
また同社によれば、「iPhoneを探す」と同様にGPSを利用して位置確認する「Trace My Steps」サービスも、現在開発中だという。当然だが、これは今のタグには使えないのでiPhone及びiPad専用となる。
そのうち高価な持ち物にはすべてGPSタグをつけ、位置確認できるのが当たり前になるかもしれない。
(岡 真由美/5時から作家塾(R))