海運にも値上げの波、コンテナ船大手3社の統合が契機海運大手3社の社長は、3社のコンテナ船事業を統合して設立したONEに、競争の激しいコンテナ船ビジネスの命運を託す。写真右から2人目は、ジェレミー・ニクソン・ONECEO Photo:kyodonews

「国内の海運大手3社がコンテナ船事業を統合したものだから、全体的にコンテナ船の運賃が上がっちゃってるんですよね」

 コンテナ船を使う荷主たちの間でボヤキ声が上がっている。トラックのドライバー不足などにより、陸路の物流運賃が上昇傾向にあることはもはや周知の事実だ。しかし値上げの波は陸運のみならず、海運にも押し寄せている。

 きっかけは荷主たちのボヤキ通り、海運大手3社の合従連衡だ。ここ2年、コンテナ船の運賃は、過去10年間で最低レベルにまで落ち込んでいた。コンテナの荷動きは増えているのだが、コンテナを運ぶ船も増加。船体も大型化しており、需給が緩んでいる。

 そのため、コンテナ船業界では世界的に再編が進んでいる。昨年7月に日本郵船、商船三井、川崎汽船がコンテナ船事業を統合し、「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」を設立したのもその一環だ。生き残りを懸け、今年4月に営業を始めている。