課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。

サマリーは「現状分析+提案」で構成する

 会議でのプレゼンとディスカッションは、シンプルかつロジカル(論理的)でなければなりません。シンプルでなければ短時間で意思決定することができませんし、ロジカルでなければ「質」の高い意思決定を行うこともできません。

 私は、ソフトバンクのマネジャー時代に、下図のようなシンプルな提案書のサマリー・フォーマットをメンバーと共有していましたが、これはシンプルなだけではなく、ロジカルな構成も意識してつくられています。

 このサマリーでどのようなロジックが展開されているのかご説明していきましょう。

 まず、提案書サマリーは大きく2つのパートから成り立っています。「現状分析」と「提案」です。「現状分析」では第一に「解決しなければならない課題は何か?」という課題設定を明確にしたうえで、第二に「その課題が生じる原因は何か?」を提示します。それを踏まえて、「提案」において、「その原因を解消する解決策」を提案するとともに、「その解決策を実施した結果、期待される効果」を示します。

 このように、「現状分析+提案」というロジックを備えていることが、意思決定を行うためには必須です(下図参照)。そもそも「現状分析」が甘ければ、それを踏まえて提案される「解決策」が適切である可能性はゼロですから、まず「現状分析」をチェックする。そのうえで、「提案」の中身を吟味。この「提案」に実現可能性があり、かつ成功確率が「7割以上」と判断できれば、GOサインを出すことができるのです。

 なお、「提案」においては「その解決策を実施するために必要なコスト」と「スケジュール」は必ず明記する必要があります。費用対効果が意思決定に不可欠なのは言うまでもありませんから、「コスト」を明記するのは当然ですし、どんなに適切な「解決策」であっても時機を逃せば効果は見込めませんから「スケジュール」も必須。この2点を明記しなければ、サマリーとしては不十分と言わざるを得ないのです。