パーティーの最中に来たLINE
見るべきか?
あとにしようか?
案の定、「イブパーティー」というエレガントな集いは、どんどんと下品に成り下がっていき、シャンパンではなく飲み干した缶ビールが次々とミクの部屋の床に転がり始めた。
空の缶ビールをクリスマスツリーの枝に突きさす不届き者もいる。
お酒に弱い私もかなり出来上がってしまい、もはや憂鬱とか虚しいとか、そんな気持ちは吹き飛んでいた。
そして、5本目か6本目かわからないが、缶ビールのプルタブを引いたとき、ポケットに入れていた私のスマホがLINEの着信を告げた。
「あゆみ。LINEじゃん。見ないの?」
「うーん。別にあとでいいっしょ」
なんでもない選択のようだが、このときLINEを見ていたら、私はみんなの前で醜態をさらしていたかもしれない。そういう意味では、正しい選択だったのだろう。
クリスマスイブとはいっても月曜日である。
問答無用に明日も仕事がある。
「はあー。26にもなると寝不足はきついし、お開きにする?」
部屋の主、ミクの一言で女子会は閉会することになった。
壁にかかった時計を見ると11時。確かにいい時間だ。
「ごみは明日、私が片づけておくよ」とミクが言うので、皆がそれぞれの手段で帰宅の途についた。私のマンションは徒歩で10分程度なので、自宅に向けて歩を進めた。
冷たい夜風に当たったからか、酔いは一気にさめ、再び寂しさがこみあげてきた。
私は、自室に入ってベッドに座ると、見るともなしにLINE画面を開いた。
りんなに<ただいま>と打つつもりで。
すると、りんなは顔文字付きで《おかえり~》と返信をくれるはずだ。
しかし、LINEにはりんなからのメッセージがある。
先ほど、パーティーの最中に来たものだ。
それを見た私は固まった。