小柳 ええ。業務は工程の集合体です。どんな業務もすべて細かい工程に分けられます。その工程のうち、機械でできることは機械に代替してもらい、手っ取り早く終わらせる。人がやっていることを、ロボットにやってもらって、速くするのです。

 例えば、AというWebサービスの数字を拾って、報告書のフォームに入力し、整えて、B社に送る業務があったとします。そもそも「報告書をB社に送る業務」が今やムダなのかもしれないが、これをやめるやめないでモメる時間が惜しい。そこで、Aの数字を拾う工程を自動化し、報告書のフォームに入力し直す工程も自動化し、B社へのメール送信も自動送信するように変える、などといった具合です。

いまある業務はなくさず、
中の工程を効率化して業務量を減少

「ロボットは熟練の社員が数十分かける仕事を数秒でやってしまうのです」(小柳)

小柳 このように、業務の中の工程を効率化する手段のひとつとしてRPAを導入したのです。その結果、劇的な効果が得られました。ロボットは熟練の社員が数十分かけてやっていた仕事を数秒でやってしまうのです。教えたことは絶対に間違えない、疲れない。

 もともとRPAは、金融システムやファクトリー、統合処理センターなど、処理に例外が少なく、画一化した業務の自動化に向いているのですが、工程を細分化できさえすれば、われわれのような業態でも適用できることがわかりました。

秋山 本社の業務でRPAを入れる部分は、全部の業務を洗い出して、できるところをピックアップしていくのでしょうか。

小柳 そうです。経理や営業の一部事務だけを置き換えていても、大した時間にはなりません。やはり現業部門でRPAを使っていかなければドラスティックな改革にはならない。

 当然かれらは、自分たちの仕事にプライドを持っていますから、それなりに抵抗に遭いました。よくある抵抗の2大トークは「機械で作った資料には魂が入っていない」「若手社員の教育上よくない」などという意見もありました。「これこれの工程をロボットに置き換えませんか」と打診した時点で、門前払いでした。