昭和23年の施行以来ほとんど手付かずだった同法にとって、大改正といってもいいものだ。加えて罰則・取り締まりの権限も大幅に強化された。具体的には無許可営業の場合の罰金が3万円から100万円に引き上げられ、それまでなかった無許可の疑いのある施設への立り入り検査や、営業者からの報告の徴収が新たに設けられた。

 先にも述べたとおり、そもそも民泊は旅館業法の簡易宿所に該当しうるものであり、元々許可が必要であったが、取り締まりの権限が弱かったため事実上野放しの状態だった。

 これに住宅宿泊事業法で網をかける一方で、これから外れたもの、網の中に入ろうとしないものを改正後の旅館業法で取り締まり、適正化しようということだ。要するに、住宅宿泊事業法と改正後の旅館業法は“両輪の関係”なのである。

 繰り返しになるが、届出を行っていない違法物件、違法事業者については、住宅宿泊事業法ではなく、旅館業法における無許可営業となるので、旅館業法に基づき、今回の法改正により新たに設けられた権限を用いて立ち入り調査が行われる等、罰則が適用されることになる。

 しかし、違法民泊については現状で正確な数が把握されておらず、取り締まるのは容易なことではない。

 標識の真偽についても、番号の照会等を行えば判断することは不可能ではない。届出件数が少ない地方公共団体であればそれほど手間はかからないと思われるが、東京や大阪といった大都市で、これまで相当数の違法民泊があるとされてきた地域では容易ではないだろう(まるでモグラ叩きのように…)。

 そうは言っても良質な宿泊施設の供給量の確保は喫緊の課題なのだから、標識の在り方を再検討するとともに、取り締まり体制の充実・強化により、実効性を上げていくことが必要だろう。