数十年にわたって関西の生活保護の現場でケースワーカーとして業務にあたり、現在は支援団体で貧困問題に関わるOさんは、生活保護で暮らすギャンブル依存症者たちの金銭管理も行っている。むろん、本人たちに依頼されてのことだ。生活保護費を預かり、生活費を日割りで渡している。

 それでも、渡した数十分後に「また、パチンコでスッてしまった」と泣きながらやってくることがあるそうだ。自助グループ「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」を紹介するなどの対応もしているが、参加し続けられるとは限らない。

「日割りで生活費を渡すという方法がギャンブル依存の問題を解決しているとは思えませんが、誰かが金銭管理をしないと、保護費全額が支給から1日か2日でなくなってしまうという現実があります。ご本人とお付き合いしながら、どうすればいいか共に考えています」(Oさん)

生活保護と日本版カジノは
どちらが税金のムダ遣いか

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 なぜ、ギャンブルに依存するのか。何かに依存しなくてはならない状態になってしまうのか。その原因から解決できれば理想的なのかもしれない。

 東京の生活保護の現場で長年働いてきたケースワーカーJさんは、以下のように語る。

「時間を有効に管理できない人は、安易にギャンブルに手を出しやすいんです。時間を有効に管理するには、高い能力が必要です。ギャンブル以外の時間の過ごし方を見つけ、時間を管理する能力を高めるために、専用の自立支援プログラムが必要なのかもしれません」(Jさん)

 日本版カジノに期待できる経済効果は薄そうだ。様々な問題が予想されるが、対策は全く追いついていない。

 そんな状況の中、参議院でカジノ法案の審議が始まる。

(フリーランス・ライター みわよしこ)