保険料を「損金」扱いし
法人税を節税

 なぜなら、支払った保険料の全額を「損金」として算入できる仕組みがあるため、税引き前の利益を保険料で“相殺”し、法人税などの負担を軽減できるからだ。

 単純な返戻率だけを見ると80%前後と、支払った保険料を下回るお金しか戻ってこない計算になるが、法人税などを支払った場合と比べた「実質返戻率」は、2年目からプラスになる設計のものが多く、5年も経てば120%を大きく上回る水準になる。

 第一生命グループのネオファースト生命保険が今年3月に発売した「ネオdeきぎょう」は、その返戻率の高さから、3月単月でANP(新契約年換算保険料)が120億円に達するなど、多くの企業が決算期末を迎える3月は「お祭りのような状態」(保険代理店関係者)だったという。

 だが、そんなタイミングで金融庁が「待った」をかけた。

 そもそも、金融庁が個別商品の販売状況について実態調査に踏み切るのは異例のこと。だが、販売現場の過熱ぶりや、足元で新たな商品認可の審査も相次ぐという実情を踏まえて、調査によって生保各社を牽制する狙いがあるとみられる。

 調査の中で詳細な報告を求めている付加保険料については、今春以降に外資系生保などが発売している商品の中に「保険期間によって大きな差をつけることで、返戻率を高めている」(金融庁幹部)として、当局は目を光らせている。

 調査によって、今後生保各社には付加保険料の見直しの圧力がかかることになるが、外資系生保の幹部によると、返戻率を高める“裏ワザ”は「付加保険料以外にも、まだたくさんある」という。

 そうであれば、金融庁による実態調査に過敏に反応する必要はないように思えるが、冒頭の生保幹部の発言のように警戒を強めているのは、一体なぜなのか。