7月7日に東京・中野サンプラザで開催された「ポータブルオーディオ研究会 2018 夏」。主催のフジヤエービックは4月に「春のヘッドフォン祭 2018」を開催しているが、よりマニアックな趣向のイベントになっている。

 会場で見かけたハイレゾプレーヤーの注目機種に関しては、第1回で紹介した通り。ここではヘッドフォン・イヤフォンを中心に、それ以外の注目機種を紹介する。

超コンパクトにたためるロングセラーヘッドフォンが無線化

 ティアックのブースではbeyerdynamicのAMIRON WIRELESS JPを中心に据えつつ、国内未発表の製品を参考出品した。

ポタ研2018夏
AMIRON WIRED
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DT 240 PRO
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Impacto Universal
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 4製品あり、そのうち3製品がbeyerdynamic製品だ。まずはコンパクトなオンイヤータイプの「AVENTHO WIRED」。「AVENTHO WIRELESS」の有線版で、ケーブルは両出し。次にエントリークラスのモニターヘッドホン「DT 240 PRO」、そして、小型だがT1など、駆動が難しいテスラドライバー搭載の大口径ヘッドフォンも駆動できる「Impacto Universal」。384kHz/32bitのPCM、5.6MHzのDSD対応で、DAC内蔵ヘッドホンアンプ「Impacto Essential」をベースに、iOS/Androidに両対応し、一体化して持ち運べるバッテリーパックを追加した。

 最後がKOSS製品で、超ロングセラーモデル「PORTAPRO」をBluetooth対応とした「PORTAPRO WIRELESS」となる。円筒形のポーチはデザインも洒落ており、オンイヤータイプでありながら非常にコンパクトに持ち運べる。

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PORTAPRO WIRELESS
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静電ツィーターをイヤフォンに詰め込んだ「FitEar EST Universal」

 FitEarのブースでは、全域を担当するBA型に加えて、静電型ツィーターを搭載したハイブリッド型IEM「FitEar EST Universal」が展示されていた。静電型ユニットは一般的に、高電圧を供給できるアンプが必要だが、この製品では非常に小型な昇圧トランスをイヤフォン内部に入れることで、普通のイヤフォン同様、プレーヤーのイヤフォン出力につなぐだけで再生できてしまう。技術的に見ても注目すべきもので、日本で販売されている製品では初ではないだろうか。

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FitEar EST Universal
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 7月7日発売で、実売価格は14~15万円程度とのこと。行列が絶えない人気ぶりだった。現状ユニバーサルタイプのみだが、カスタム版の発売も楽しみだ。

近日クラウドファンディング開始予定、骨伝導イヤフォン

 CCCのGREEN-FUNDブースでは、EarsOpenの骨伝導イヤフォン第2弾の試作機を見せてもらえた。3Dプリンターで作ったばかりとのこと。耳かけタイプとなりより装着性がよくなるという。写真のように耳の後ろ側の部分が振動して音を伝える。ブラッシュアップのうえ、近くファンディングが開始されるとのことなので楽しみに待とう。

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EarsOpenの骨伝導イヤフォン試作機
ポタ研2018夏
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こちらはすでに販売済みの従来製品

米国の新進ブランドInEarzは耳にやさしい?

 新進ブランドのイヤフォンとして登場したのがInEarzの「ZEN 2」「ZEN 4」そして「Euphonia」「Nirvana」だ。最初の2つは近く国内販売が開始される。

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Nirvana
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 ハウジング部に、何となく見覚えがあるような特徴のあるパーツが付いているので質問してみたところ、ADELテクノロジーのためのパーツだという。見覚えがあったのも当然でカスタムIEMで有名な64AUDIOなども使っているからだ。何のための部品かというと、密閉型イヤフォンの内部でドライバーが動作することで生じる空気圧を受け止めるためのフィルターである。

 このパーツがあることで、音の広がり感や忠実な音楽再生ができるといったメリットがあるが、もうひとつアピールされているのは鼓膜に過度な空気圧がかからないため耳にやさしいという点だ。ベンチレーションと役割が似ているように感じるが、空気を抜くための穴はあけない。

 ハイエンドのNirvanaは20万円近くとかなり値が張るが、2BAのZEN2であれば5万円台程度で購入できるとのこと。

ポタ研2018夏
ポタ研2018夏

 FiiOは新イヤフォンの「FH5」を参考展示。これは4月末のヘッドフォン祭でも披露していたが、今回BluetoothケーブルとFH1を組み合わせた「RC-BT with FH1」の展示もしていた。正式アナウンスを待て。

手ごろながら多ドライバー、カスタムできるイヤフォン

 NGSが扱う、中国MUMの「Galileo D4」は1ダイナミック+2BAのイヤフォンで、カスタマイズが7月7日から可能になったという。木材と金属を組み合わせたプレートをシェルに用いている。豊富なデザインを選ぶことができる。実際に、聞いてみたが、ウォーム系で聴き疲れしにくい音調であり、まとまりのいい音だった。価格は5万2000円程度だが、カスタマイズ版は6万7800円になるとのこと。

ポタ研2018夏
ポタ研2018夏
ポタ研2018夏
金属・木材の素材も複数から選べる

独特な多角形デザインだが、緻密な再生音「STELLA」

 STELLAは米国のライトハーモニック社のハイブリッド型イヤフォン。9mmのダイナミックドライバー(ベリリウムコート)にBA2基を組み合わせ、価格は15万円前後になるみこみとのことだが、高解像度で確かなサウンドだ。

ポタ研2018夏
ポタ研2018夏

 耳にする機会が少ないブランドだが、これまではOEM中心で活躍してきたのだという。装着時のフィット感がやや甘い感じがしたが、ここはイヤーチップの選択で改善できそう。緻密な音の表現力は、それに勝る魅力だ。デザインやカラーリングもなかなか個性的で強い印象を与える。

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GO2Pro
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カラーは2色

 ライトハーモニックはDXDやDSDに対応したUSB DAC「GO2Pro」も開発している。担当者によると細かな仕様は不明とのことだが、薄型でこちらもデザイン・カラーが個性的だ。

低価格でカスタマイズも楽しい、イヤフォン登場

 SHANLINGのハイレゾプレーヤーなども扱う伊藤屋国際のブースでは、NF AUDIO製のイヤフォンを参考出展。BAドライバーを4基搭載した「NF4u」で、ゲーム/アニソンに向いた高解像度再生がコンセプトだという。国内販売については現在検討中。M0との組み合わせで聴くと、クッキリとして癖のないサウンドと言う印象だった。

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NF4u
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 MacauのGH600s Pro/GH600sはノズル交換でフラット、高域や低域のブーストなど、音質チューニングができるイヤフォンだ。Knowles製の1BA+1ダイナミックのハイブリッド型で、MMCX端子でケーブル交換可能となっていながら、価格は1万2980円/1万4480円となかなかリーズナブルだ。

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ケーブルやノズル部を分解して交換できる楽しさを提供
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3種類のフィルター
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青い方がPRO。ハウジング素材はMIM成形のステンレスとなっており、PROと通常は付属するケーブルに差がある

 同じMacawからは「TX-80」というチタン複合振動板搭載のBluetoothイヤフォンも展示されていた。Bluetoothモデルだが、MMCX端子搭載で別途購入したケーブルに交換も可能。IPX5の生活防水に対応しつつ、7980円と買いやすい製品だ。

 なお、伊藤屋国際では6N OFCの銀コート線を使いながら3000円以下で買えるSounds Goodのリケーブル「Sarahシリーズ」も取扱予定。3.5mm-MMCX、2.5mm4極-MMCXなどのバリエーションがある。細身だがタッチノイズが少ないシースを使うなど取り回しにも配慮しているとのこと。

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TX-80
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Sarah

手軽に機器をBluetooth化できる「Beetle」

 Beetleは高級Hi-Fiケーブルで有名な「audioquest」のBluetoothアダプター。光//USBで入力した信号をBluetoothで手軽に伝送できる。アナログ出力も持つ。価格は3万円弱とのこと。

 これ以外にも様々な新製品がポタ研で披露された。写真とともにまとめて紹介しよう。

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Beetle
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光デジタル入力にも対応
ポタ研2018夏
4.4mmのバランス駆動に対応したOriolus BA300s
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1BA+1ダイナミックのハイブリッド型イヤフォンのOriolus Finschi
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iFI-AudioのOTGケーブル。iFi audio製品に最適化。USB Type-CとMicro-USBモデルがある。導体はピュアOFHC連続鍛造銅。セラミック仕上げ
ポタ研2018夏
iFI-Audioから人気のノイズ除去アクセサリー「iPurifier」シリーズの新製品も参考展示
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nextDriveのSPECTRAは384kHz/32bit対応のDAC内蔵ポータブルアンプ。全長235mmのケーブルとほとんど変わらない外観だが、ESSの9018Q2Cを搭載し、11.2MHzのDSD再生も可能だ
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FINALのE4000/5000も好評。生産が追い付かないほどの売れ行きだという

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