脱会後に元信者を苦しめる
「空白期間のある履歴書」

――アレフやひかりの輪などの信者に向けた脱カルト活動は今、行われているのでしょうか?

 本人が脱会したいと望んでアプローチしてくるなどの状況でない限り、話はできません。「信教の自由」は日本国憲法で保障されていますから。

 マインドコントロールは解くのも大変ですが、解けた後も大変です。何しろ、財産を全部取られているのはもちろん、大学や会社にいた人は辞めさせられていますし、家族や友人からも引き離されますから。今の日本社会で、履歴書に数年間の空白がある人の就職活動は、非常に困難です。

 何か資格を取得するか、知り合いに就職を斡旋してもらうか、もしくは、思い切ってカミングアウトするか。いずれにしても、簡単ではありません。

 心の問題も大きいですね。実は、自分で脱会を決めたケースでは後々、「不安で仕方がない」と訴える人が多いのです。脱会時に、本人が完全に絶望するほどにすべてが間違いだった、と気づく必要があります。そうでないと、何かの折に「戻りたい」「ほかのカルトでもいいから帰依したい」という心が頭をもたげてくるのです。

 こういう人は、見守ってくれる人、相談に乗ってくれる人が必要です。長く入信していた人ほど、マインドコントロールから抜け出すのにも時間がかかる。オウムへの揺り戻しが起きてしまったと思われる遠藤だって、誰かがちゃんとサポートしてあげられれば、結果はまた違ったものになった可能性はあったと思います。