今、目の前の仕事が、
一体どこへ向かっているのか?

 さて、「もっともっと感謝される仕事がしたい!」と張り切ってコンサルタントになった私でしたが、第1回で述べたように「年賀状づくり」から始まって、ほとんど毎日が雑務ばかり。“仕事が面白く”など、まったくなりませんでした。

 本当の意味で仕事が楽しめるようになったのは、ようやく30代になってからだと思います。

 どうして私自身の仕事が面白くなかったかといえば、仕事のゴールが見えていなかったからです。

「人から感謝されたい」という、究極的な自分の目的がハッキリしているのはいい。しかし私には、たとえば「年賀状づくり」を任されたなら、それをどのような形で仕上げれば「感謝される」のか、まったく想像できなかったのです。頭にあったのは、「つまらない仕事を押しつけられている」という不満ばかりでした。

 そんな考えしかない私だから、年賀状づくりだって、まったく適当です。本当はどんな仕事でも“どうでもいい”雑務なんてないわけで、一つひとつの仕事には求められているゴールがあるのです。それがわかるまでは、上司が「君に大きな仕事を任せてみよう」という気になど、なるわけがなかったのでしょう。今だからこそ、わかることですが……。

 私の思い描いている“コンサルタントになって、みんなに感謝されたい”というイメージは、はるか遠くのほうにあるだけ。一方で、今目の前にある仕事には、何の価値も見出していない。

 それでは、まるでゴール地点とまったく外れた道を、どう行ったらたどり着くかもわからずに、あてどなく走り回っているようなものです。30キロ走ったって、40キロ走ったって、何も面白くなどなるわけがありません。