10回以上の県を見ても、大分は双葉山、石川は輪島、岡山は常ノ花、高知は玉錦、鹿児島は三代朝潮ら名力士が出て優勝を重ねたおかげだ。優勝がある都道府県は名力士を輩出したことがあるところで、長野は御嶽海の出現によって、今回その仲間入りを果たしたわけだ。

 ちなみに横綱輩出数をランキングにすると

 1 北海道 8人
 2 青森  6人
 3 東京 宮城 茨城 千葉 鹿児島 4人
 8 栃木  3人
 9 石川 富山 愛知 三重 福岡 熊本 2人

 (モンゴル=4人、アメリカ=2人)

 となる。やはり北海道、青森、東京が名力士輩出地域といえる。

 なお、宮城は優勝回数がゼロなのにもかかわらず、4人もの横綱を出しているが、この4人は現在の記録に残っていない江戸時代から明治期にかけて横綱だからだ。また、前述した雷電は大関どまりで横綱にはなっていない。雷電が活躍した時期の最高位は大関で、横綱は名誉職のようなものだったからだ。

 ともあれ優勝回数が多い地域は名力士を出してファンは盛り上がり相撲熱も高まる。それによって後に続く有望力士も生まれやすい、という流れができたということだろう。

 長野県は実力的に突出した雷電ひとりが出ただけで後に続く者は出なかったが、御嶽海の出現でその流れが生まれる可能性はある。御嶽海は稽古よりも本場所に強いタイプの力士といわれている。長野のファンの期待というプレッシャーを背負った方が、案外力が出るかもしれない。来場所からの大関獲りへの挑戦が楽しみになってきた。

(スポーツライター 相沢光一)