会社は野球チームそのもの
私は、当社の社員のことを「従業員」と呼びません。
「従業員」という言葉は「業(ごう)に従う人」と書きます。
つまり、業務に従わせる構成員の略称が、「従業員」です。
けれど、社員は、業務に支配されているわけではありません。
私が社員に対して、「会社に従いなさい」「業務指示に従いなさい」と強制しないのは、私自身もこの会社の社員であり、「社員はみんな、同じ立場」だと思っているからです。
「会社は、野球のチームに似ている」。
これが私の持論です。
「社長=監督、経営幹部=コーチ、社員=選手」です。
そして、お客様が打ったボール(お客様からの発注)を連係プレーで処理するのが、仕事です。
ワンプレーで2つのアウトを奪う「ゲッツー」(ダブルプレー)には、あざやかなコンビネーションと華麗なテクニックがあります。
「相手の投げやすい位置に投げる」「相手の捕りやすい球を投げる」という意識がなければゲッツーは完成しません。
仕事にも、コンビネーションと連係プレーが必要です。
「自分の担当が終われば、それで終わり」「与えられた業務だけをやればいい」と個人プレーに走るのではなく、「チーム全体」のことを考えて仕事をすることが大切です。
「次工程」で仕事をする人の立場と気持ちを想像しながら仕事をする。
次の人が仕事をしやすいように考えて仕事をする。
その結果、流れるような「5-4-3のダブルプレー」(5…サード/4…セカンド/3…ファースト)が完成するのです。
今回、年間2000人の見学者が訪れる、鉄工所なのに鉄工所らしくない「HILLTOP」の本社屋や工場、社内の雰囲気を初めて公開しました。ピンクの本社屋、オレンジのエレベータ、カフェテリア風の社員食堂など、ほんの少し覗いてみたい方は、ぜひ第1回連載記事をご覧いただければと思います。