「一帯一路」最前線の中越国境はいま
中国は14の国と国境を接している。辺境の地には国境ゲートがあり、隣接する国と細々と交易を行ってきた。もとより国境地帯は経済発展の中心から取り残された遠隔地でもあり、格差是正は長年の課題だ。そこに現れた中国の広域経済圏構想「一帯一路」。中国はこの構想の中で、国境地帯を開発しようと急いでいる。
筆者は、国境交易のパイプが太くなっていることを予感し、ベトナムと中国の国境地帯であるクアンニン省モンカイ市を訪れた。ハノイからモンカイまでの走行距離は337キロ。早朝8時に出発した筆者が、モンカイと中国の国境ゲートに着いたのは16時半を回っていた。
国境ゲートには、中国から仕入れたパイナップルやトイレットペーパーをバイクにくくり付ける“担ぎ屋”の姿もあった。新華社によれば、「東興(中国側の国境ゲート)を通過する1日あたりの人数は、今年3月末で4万6200人に達した」という。