文科省は解体すべき?安倍首相が本気でやるべき教育改革とは行政の中で規制改革が最も進んでいない分野は教育。三選が確実視される安倍首相は、教育改革で若者世代の能力の向上に本気で取り組むべきだ(写真はイメージです) 写真:首相官邸HPより

 加計学園問題の影響で、政権内では昨年からずっと国家戦略特区を活用して改革を加速するという意思が感じられませんでしたが、最近になってそのモメンタムが戻りつつあるように感じられます。茨城県から非常によい規制改革の提案が提出されたのです。

教育の規制改革が
ほとんど進んでいない現実

 意外と知られていませんが、行政の中で規制改革が最も進んでいない分野は教育です。医療や保育などの社会保障については、社会保障支出の増加の抑制という至上命令があるため、ペースが遅いとはいえ、カルテの電子化や保育の規制緩和といった規制改革が徐々に進んでいます。

 それと比べると、教育、特に小学校・中学校の義務教育については、学習指導要領や日教組といった強固な障壁が存在するため、規制改革はほとんど進んできませんでした。

 諸外国、たとえば米国では、教科横断のプロジェクト学習中心など、新たな教育スタイルを実践する小学校が、企業経営者によって設立されています。また、オランダ、イスラエル、中国などでも同様に、新たなアプローチで教育を行う学校が増えています(参考URL)。

 それに対して日本の小中学校では、学習指導要領に基づいた教育しか行なえないので、新たなアプローチの教育を行なう学校の設立は、ニコニコ動画のN高等学校や堀江貴文氏のゼロ高等学院など、高等学校に限定されています。また、そこまで革新的な取り組みでなくても、普通の規制緩和さえ実現できないままとなっています。

 現行制度の下では、大学や高校ならば自由に遠隔教育を行うことができますが、小中学校では遠隔教育の受け手の生徒がいる側にその科目の教員免許を持った教師が同席していない限り、遠隔教育はできません。