文科省の解体のやり方としては、以下のような様々なアプローチが考えられます。

・小中学校の義務教育に関する権限と予算は、地方自治体に完全に移譲。

・厚労省を旧厚生省と旧労働省に分割した上で、後者に文科省の高校・大学に関する権限と予算を移譲して、人材育成を行なう省を設立。

・文科省のうち旧科技庁部分は、内閣府の科学技術・イノベーション関連の部門と合併してイノベーション専門の省を設立。

 逆に言えば、これくらい徹底的な改革を行わない限り、中堅職員が提言した程度の小手先の改善のみでは、文科省という組織自体や文科省の行政に対する国民の信頼は戻らないのではないでしょうか。

再選安倍首相が取り組むべきは
教育改革と文科省解体

 9月の自民党総裁選で、安倍首相の3選は間違いないでしょう。この秋からはこれまでのアベノミクスの延長で、日本経済の生産性の向上に取り組む必要があるのです。

 だとすれば、今年前半の働き方改革で働く人に関する論点を総ざらいしたことを考えると、次は教育改革で若者世代の能力の向上に乗り出すのは必然の流れのはずです。その際、高校・大学のみでは不十分なので、ぜひとも小中学校の義務教育、さらには文科省の解体にまで踏み込んでほしいものです。

 果たして、どうなるでしょうか。期待を持って見守りたいと思います。

(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)