「スポーツの世界も政治や役所、一般企業と一緒。引退した後は暇だから、それぞれのスポーツ団体で熾烈な派閥争いや出世競争、権力闘争に明け暮れる。そして、政治や役所、一般企業よりもタチが悪いのは、外部の目にさらされないこと。一度、その最高権力の地位に就いてしまうと、周りには誰も意見できる者がいない“裸の王様”になってしまう。さらに悪いことには、スポーツの世界は戦前の軍隊のように、上位の指示には絶対服従の雰囲気がある。そこで『自分は偉い。何をやってもいい』と勘違いしてしまう」

 こうした上層部や指導者らは、なぜ、不祥事が発覚した後でも言い訳がましく事実関係を否定し、その地位にしがみつこうとするのか。

「その地位が最高に心地いいから。王様だから。一度君臨した権力の座は明け渡したくない。そして、その地位にしがみつこうとし、潔く去れないから、あんなみじめったらしい引導の渡し方をされてしまう」のだという。

 もう1つの疑問。なぜ今、こうも相次いで最高権力者たちの不祥事が明るみに出ているのか。告発が相次ぐのか。

「村田選手が投稿した通り『そういう時代』じゃないということ。昭和のころはそうした空気を是認する風潮があったが、今では通用するわけがない。村田選手の投稿通り『悪しき古き人間達』は去る時期に来たということだ」

 さらにこう続ける。

「推測だが、反則指示問題で、日大アメフト部員の記者会見が影響を与えたのではないか。『子どもがあんな立派な態度を取っている。俺たち大人がこれでいいのか』と。もう1つ、東京五輪の影響もあるのではないか。やはり、膿(うみ)は出しておきたい。一方で、スポーツ・平和の祭典と言いながら、五輪はその実、スポーツを利用したただの商業活動に成り下がってしまった。大きなカネが動く中で『何もしないでふんぞり返っているだけのアイツの懐に、ジャブジャブとカネが流れ込んでいくのは許せない』という義憤もあったのだろう」

 今回、山根会長の不正を告発した「日本ボクシングを再興する会」は選手や関係者333人が名を連ねた。同会代表で、6月まで連盟理事だった鶴木良夫氏は新聞やテレビの取材に「誰も何も意見できない状況が長く続いていた。みんな我慢の限界だった」と話している。