日本語でも悩むメールがスラスラ書ける! 総合商社で磨き抜かれた「生きた英語」とは?
「値下げ要求をスマートに断りたい」「代金の未払いをやんわりと伝えたい」「商品をさりげなく売り込みたい」。あなたならどう書きますか?
三井物産の商社マンとして、約40年間、第一線で活躍し、退職後は慶應義塾大学、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとる定森氏の新刊、『人を動かす英文ビジネスEメールの書き方ー信頼と尊敬を勝ちとる「プロの気くばり」』から、内容の一部を特別公開する。
「できれば会社にきてほしい」。どんなメールが有効?
自分から面談の必要性をもちかけながら、他にもいくつかの案件を抱えていて、できることなら先方に来てもらいたい。そんなとき、どんな英文メールを送りますか?
今回は、「東京勤務のビジネスパーソンが、シアトル(アメリカ)のクライアントに対し、遠回しに来社依頼している」ケースです。
さっそく実例を見てみましょう。
(件名:千代田プロジェクト最終会議)
(スミス様、ジョーンズ様、千代田プロジェクトに関する最終案をとり決める会議を、われわれ実務担当3名にとって都合のよい時期・場所で設定したいと考えております。)
(弊社の本部長の最終決裁を6月20日までに得るためには、遅くとも5月末までにはプロジェクトの最終合意案を上申する必要があります。)
(したがって、私は5月12日の週に東京かシアトルで会議を行うことを提案したいと思います。お2人のご希望の日時と場所をご連絡ください。)
さて、メールのポイントを見ていきましょう。
先方の2人に東京に来てもらうのは、自分1人がシアトルに出張する場合に比べ、旅費・滞在費だけでもコストが倍かかります。ただ、相手がシアトルでの面談を希望することも十分考えられます。
それを想定して、at a mutually agreeable time and locationと先手を打ちましょう。来訪を促す相談をする際、こちら側は心理的に楽になります。
一方でさりげなく、your preferred date, time and locationというひと言も忘れないようにしましょう。相手の希望や都合を優先させたいという「気くばり」を示せます。「5月12日の週」という時間の幅を設定することも、相手のスケジュールを調整する助けになります。