日本語でも悩むメールがスラスラ書ける! 総合商社で磨き抜かれた「生きた英語」とは?
「値下げ要求をスマートに断りたい」「代金の未払いをやんわりと伝えたい」「商品をさりげなく売り込みたい」。あなたならどう書きますか?
三井物産の商社マンとして、約40年間、第一線で活躍し、退職後は慶應義塾大学、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとる定森氏の新刊、『人を動かす英文ビジネスEメールの書き方ー信頼と尊敬を勝ちとる「プロの気くばり」』から、内容の一部を特別公開する。

留学経験のある人は、特に注意!

 グローバルビジネスでは、「話し言葉」的なトーンの英語が重視されています。

 ただ、Write as you speak.(話すように書け)と同時に、Speak as you write.(書くように話せ)という姿勢も重視されます。これは、スラング、過度に馴れ馴れしい表現、くだけた表現、下品な表現を不用意に使うなという戒めです。

 この趨勢は、日本で英語を学んでいる読者の多くにとっては有利と言えるでしょう。

 日本では、「書けるけど話せない」というコンプレックスの結果、文法や作文を軽視しがちです。しかし、日本人の書く力は、他国の人と比べて、それほど遜色はありません。筆者の長年の経験から、日本人は書く力にもっと自信を持つべきです。

 むしろ、1~2年の短期留学で覚えたスラングや下品な言葉を、そのままビジネスの現場で使うほうが問題です。

 下記のような言葉遣いは、学生はもちろん、親しい仲間の間でよく使われるスラングの一種です。

(1)gonna (=going to~) ~するつもりである

(2)wanna (=want to~)  ~したい

(3)gotta (=have got to~) ~しなければならない

(4)oughta (=ought to) ~すべきである

(5)lemme (=let me~) ~させてほしい

(6)gimme (give me~) ~をください

(7)gotcha (have got you) 分かった、見つけた、捕まえた

8)whatcha (what are you) あなたは何を…

 このようなくだけた表現は、プロの間では品格や洗練度の観点から意識して使わないようにしています。外資系企業に採用された日本人の帰国子女が、米国人社長や顧客の前でこのようなスラングを使って、厳しく叱責されたという話もあります。

 ネイティブであれば、20年あまりの生活を通じて体得した言葉のセンスから、学生同士の「話し言葉」を社会人になってからも使う危険性を熟知しています。自身が置かれた環境に巧みスイッチできるのです。

 しかし、数年程度の海外留学で、さまざまなコンテクストに適した「気くばり」の表現を身につけるのは容易ではありません。

 スラング、過度に馴れ馴れしい表現、くだけた表現を知っていることは必要です。しかしビジネスでは、自分から使うと恥をかいたり、ひんしゅくを買ったりするリスクが大であることを認識しておきましょう。

参考記事:ネイティブにイエスと言わせる「商社の英語」、日本人の「気くばり」が、武器になる。