日本語でも悩むメールがスラスラ書ける!総合商社で磨き抜かれた「生きた英語」とは?
「値下げ要求をスマートに断りたい」「代金の未払いをやんわりと伝えたい」「商品をさりげなく売り込みたい」。あなたならどう書きますか?
三井物産の商社マンとして、約40年間、第一線で活躍し、退職後は慶應義塾大学、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとる定森氏の新刊、『人を動かす英文ビジネスEメールの書き方ー信頼と尊敬を勝ちとる「プロの気くばり」』から、内容の一部を特別公開する。
お礼メールに「これ」を書いてはいけません。
感謝の気持ちを伝える際、何に気をつけるべきでしょうか。今回は、「急ぎの仕事(ウェブサイトの原稿チェック)を頼み、それに対し、相手が完璧な仕事をしてくれた」というケースになります。英文メールの例をご紹介します。
(件名:ドラフトの編集)
(シェリルさん、弊社のコーポレートサイトの添削済み更新原稿を送っていただき、ありがとうございます。)
(急なお願いにもかかわらず、原稿全体を精読し、詳細な修正のご提案をいただき、深く感謝しております。ご指摘および修正内容は、大変納得いく内容でした。)
(あなたのようにお忙しい方の時間がどれだけ大切かは十分承知していますので、今回のご協力に対する感謝の気持ちは、ひと際強いものがあります。)
さて、メールのポイントを見てみましょう。
まず、急な依頼を受諾して時間を割いてくれた厚意に対する感謝を伝えましょう。I am very grateful for the trouble you have taken to …のtroubleは「苦労、困難」の意味で、「頑張って…をしてくれたことに深く感謝する」というニュアンスです。
the value of time to a busy personは、「多忙な人の時間の大切さ」の意味。valueは「価値」ですが、「価値観」はvaluesですので、経営理念などに対して「価値観」に言及する場合には注意が必要です。
感謝の気持ちを強調する場合、他に大切にしている事実や感謝すべき事象を挙げて、this makes me all the more thankful forという表現もあります。
そして大切なことがあります。
相手が社外の人の場合、お礼のメッセージの中に、感謝の気持ち以外のこと、例えば、「今後の取引に関する話題」などは含めてはいけません。
せっかくの感謝の気持ちが薄れてしまい、場合によっては相手が、「今後の販売促進のための口実にすぎないのでは」という疑念を抱くリスクもあります。気をつけてください。