20代のうちは「イベント費用」のための
貯蓄作りを優先すべき

 私が直接大学生に相談を受けたなら、「若いうちに投資に慣れるのも悪くないけれど、まず“何にでも、すぐに使えるお金”を貯めるのが先決」とアドバイスするだろう。基本的に質問者の女性の考えと同じである。

「何にでも、すぐに使えるお金」、つまり流動性のことだが、20代のうちは流動性の高い蓄えを早めに作ることが大事なのだ。

 社会人になると、給料という収入を得て暮らしていくことになるが、毎月の手取り収入以上の出費が発生すると、貯蓄がないと対処できない。

 たとえば、転職をしたいと思ったら、辞めてから次の勤務先の給料を受け取るまでのつなぎ資金として数ヵ月分の生活費の蓄えが必要となるケースもある。引っ越しをしたいなら、敷金・礼金・前家賃などで家賃の5ヵ月分程度のお金が発生する。結婚するなら、仮に結婚式を挙げなかったとしても、ふたりで暮らす部屋を借りる費用や家具や電化製品の購入費用として、100万円前後のお金がかかるだろう。

 こうしたイベント支出のために流動性の高い貯蓄を持たないといけないことは、大学生はもちろんのこと、社会人になっていても、意外に気がついていない若者が多い。

 投資商品は値動きがあるため、お金を使いたいときに値上がりしているとは限らない。相場全体が大きく下がったときにイベント費用が必要になったら、流動性のある貯蓄がないと、自分が投資した商品が元本割れの状態でも売却しなくてはならなくなる。

 そもそも「つみたてNISA」は、長期のスタンスで投資をするものなので、近い将来のイベント支出には適さないことを知っておきたい。

大学生なら投資よりも
国民年金保険料を払うのが先決

 セミナー会場で「大学生の母親」の立場の人から質問を受けるほか、「大学生本人」から「つみたてNISAをはじめるつもり」という話を聞いたこともたびたびある。