東京商工リサーチ情報本部情報部の原田三寛部長は言う。

「スルガ銀行は個人融資が多く、住宅ローンを除く個人融資は1兆円ありました。そのうちシェアハウス向けの融資は総額で2000億円、借り手は1200人以上いたと発表しています。法人に比べて利率の高い個人融資が高収益の理由だったのですが、不正融資が発覚したことで、行員の給与を含む経営への影響が懸念されます」

 スルガ銀行は、役員報酬も高い。6月29日に提出された18年3月期の有価証券報告書によると、岡野光喜会長の報酬額は1億9700万円、米山明弘社長が1億6800万円。16年7月に死去した岡野喜之助元副社長は、退職慰労金も含めて5億6500万円支払われていた。

「8月末には第三者委員会による調査報告が発表される予定になっています。不正融資には多くの行員が関わっていたことから、役員報酬の大幅削減が実施される可能性もあります」(前出の原田氏)

 銀行全体に話を戻すと、平均給与の上位10行のうち、前年より平均年間給与が伸びたのは、あおぞら銀行、新生銀行の2行にとどまり、上位銀行の給与伸び悩みが目立った。国内銀行の平均給与は2年連続で前年を下回り、70行(構成比76.9%)が前年を割り込んだ。

 日本銀行のマイナス金利で金融機関の収益が悪化し、さらに残業などの時間外手当の削減が拍車をかけ、従業員の年間給与は伸び悩んでいる。

 また、前年より大手行と地方銀行、第二地銀の給与格差も拡大している。昨年に比べ、大手行と地方銀行との給与格差は7万円、第二地銀が1万3000円、それぞれ格差が拡大した(グラフ参照)。

 91行の平均年齢は38.9歳で、前年より0.01歳低下した。

 業態別では、地方銀行が38.8歳(前年比0.03歳低下)で前年を下回ったが、第二地銀は39.0歳(同0.02歳上昇)とわずかに上昇。大手行は39.1歳(同±0.0歳)と、前年と同じだった。

 大手行4行、地方銀行23行、第二地銀15行で平均年齢が上昇した。大手行は新卒者だけでなく、専門職の中途採用に積極的で、平均年齢の引き下げには至っていない。

 91行の従業員数合計は24万5305人で、前年より438人減少。13年3月期以来、5年ぶりに前年を下回った。大手行が前年比58人増(前年比0.05%増)に対し、地方銀行は同387人減(同0.3%減)、第二地銀も同109人減(同0.3%減)と、大手行のみが増加した。業態別では、従業員数の増加は大手行3行、地方銀行24行、第二地銀15行の合計42行。前年(49行)より7行減少した。

(AERA dot.編集部・西岡千史、福井しほ)

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