ぼく、中学生の頃は毎日ノートにぎっしり日記を書いていたんですよ。インターネットができてからはブログを毎日書くようになった。自分の身に起きたことをブログに書く習慣があったんです。

 だから、たとえ悪いことが起きても、それを客観視しておもしろおかしく書くことができたんです。どんなに悪いことや悲しいことがあっても、全部それを「ネタ」にできる。つまり「悪いこと」は起きないんです。「失敗した!おっしゃー、ブログに書こう」っていう感じですね。

 コメディの世界の見方をそのころからしていたのかもしれません。チャップリンが言っていることですけど「寄ってみれば悲劇に見えることも、引いてみれば喜劇に見える」という。そういう考え方が昔からありました。

映画『カメラを止めるな!』映画『カメラを止めるな!』より ©ENBUゼミナール  

「俺はなんで東京に来たんだろう」と号泣した25歳の夜

 20歳から25歳のあいだに相当数の失敗をしました。200万円の借金をし、ネズミ講で友だちを失いかけ、家をなくし......。それをブログに書くことで「笑い」に変えてきました。

 でも、25歳のある夜。突然「俺はなんのために東京に来たんだろう」ってすごく泣いたことがあったんです。

 近道をして映画監督になろうとしてたつもりだけど、結局はただ「映画だけで勝負するのが怖かった」だけなのかもしれない、と思った。もし映画だけをやって、それでもうまくいかなかったら、自分に才能がないってバレてしまう。「映画だけをつくる」ということから逃げて、他のことをしていた自分に気づいたんですね。だから、「映画一筋でやろう」と覚悟を決めてやり始めたのが25歳のときでした。