物品販売会社の甲社は、ここ数年売り上げが急激に下がっていた。悪い状況を打開するため、社長は8月上旬の日曜日、あるセミナーに参加。そこで講師の話を聞いていくうちに、平日の1日を臨時休業にして社員全員で清掃を行うことを思いつき、社長が朝礼で発表した。ところが1ヵ月前に休みを申請していた社員から、「旅行を取り消せというならキャンセル料を支払え」と要求された。社長はどう対応すべきか?(社会保険労務士 木村政美)
地方にある物品販売会社。社員数30名。ここ数年売り上げが急激に低下、商品は返品の嵐で多数の在庫を抱える。現在は商品や備品が倉庫だけでは収まらず、廊下にまで積み上がっている状態。加えて数年間掃除をしておらず、ほこりまみれになっている。
<登場人物>
A:甲社の社長。40歳。会社の危機に際し、営業努力の他に、数々のセミナーに参加。解決方法を模索している。
B:主任。28歳。1年前にCと結婚した。
C:Bの妻。24歳。ミッキーマウスの大ファン。夫とは違う会社に勤務。激務で休みがなかなか取れない。今回、念願かなって夫とディズニーリゾート旅行を計画中。
D:Aの同級生で社労士。
セミナー参加で
大きな気づきを得る
「そうだ!社内の大掃除をやってみよう!」
8月上旬の日曜日、A社長は「ドン底から這い上がり、会社の売り上げをUPさせる方法」というセミナーに参加していた。そこで「事務所内の整理整頓と清掃を徹底した結果、ある会社が前年比の2倍となる売り上げを叩き出した」という講師の話を聞きすっかりその内容に魅せられた。