「住まない実家」は金食い虫!?

 住まない実家を維持するのは、簡単なことではありません。最大の問題点は、「お金を生まない」ことにあります。

 売却や賃貸をすれば、相続した土地や建物からはお金が入ります。しかし、そうでなければお金を生むことはありません。それどころか、「住まない実家」は次に示すように、お金がかかる資産なのです。

(1)相続税が割高になる
 もし、相続した家に住むということであれば、「小規模住宅の評価減」という制度が適用されます。土地の評価額が8割安くなり、それに応じて相続税も軽減されます。しかし、住まないのであればこの制度は適用されません。

(2)家や庭のメンテナンスに手間や費用がかかる
 人が住まない家はすぐに荒れてしまいます。きれいに保とうとするならば、ときどき訪ねては、窓を開けて換気したり、雑草をとったりする必要があります。空き家管理サービスもありますが、それも当然費用がかかります。

(3)実家に通う交通費がかかる
 家や庭をメンテナンスする場合、実家が遠距離にあると交通費もばかになりません。時間もかかってしまいます。

(4)解体費がかかる
 空き家をそのままにすると、やがて周辺から苦情が持ち込まれるようになります。そうなると最終的には解体するということにならざるをえませんが、その場合には解体のための費用が掛かってしまいます。とくに壁などにアスベストを使っていると、そのコストは大きな負担となります。

 以上のように考えると、「住まない実家」は、資産というよりも不良資産といった方が適当かもしれません。思い出の詰まった大切な実家も、経済的に見れば、やはり残念ながら“金食い虫”でしかないのです。