きょうだいが多ければ多いほどモメやすい相続問題写真はイメージです Photo:PIXTA

きょうだいが多ければ多いほどモメやすい相続問題。一見バランスがよく思える相続方法「不動産の共有」に隠された落とし穴とは? 累計相続案件数1万2000件の実績を誇る“日本一相続を見てきた税理士法人”が『やってはいけない「長男」の相続』について解説する。

長男は一家の「マネージャー」

 前回の記事では、日本ではいまだに「長男への本家相続」が主流だというお話をしました。今回は事例をふまえながら、モメやすい不動産相続について解説します。なお、前回同様、性別や続柄に関係なく、本家を相続する人を便宜上、「長男」とさせていただきます。

 前回の繰り返しになりますが、モメない相続のカギは「長男」が握っています。長男のリーダーシップのとり方に工夫が必要なのですが、リーダーとは何かというと、常に全体を見て我を出さないということでしょう。

「俺が俺がの我(が)を捨てて、お陰お陰の下(げ)で生きる」という、江戸時代の僧侶・歌人である良寛の言葉があります。自分さえよければいいという自己中心的な生き方ではなく、自分の利益はさておき、他人の利益を考えて生きるのです。