「週刊ダイヤモンド」9月1日号の第1特集は「自動車・電機・IT 40年で完成した日中逆転の全経緯」より、上海を拠点とする大手経済メディア「第一財経」による現地報道から、膨張する中国の経済・産業の様子をお伝えする。記事一覧はこちら。7月10日、上海市政府と米テスラは協力覚書に調印し、上海臨港管理委員会、臨港集団とも純粋電気自動車プロジェクトの投資契約を結んだ。テスラが上海で単独投資のスーパーファクトリーを建設できたのは、7月28日に施行された「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2018年版)」が縮小した恩恵を受けたからだ。(胥会云・第一財経記者)
テスラは11月5日、上海虹橋で開かれる第1回中国国際輸入博覧会(以下、「輸入博覧会」と略)に出展し、自動運転モデルの「モデルS(Model S)」と「モデルX(Model X)」、ものすごい勢いで生産が伸びている「モデル3(Model 3)」を展示する。
会場から数十キロ先にある上海臨港地区に、テスラは単独投資によるスーパーファクトリー(Gigafactory 3)の建設を始める予定だ。テスラが米国の以外の地で初めて建設するこのスーパーファクトリーは研究開発、製造、販売などの機能を一体化させた工場で、電気自動車を年間50万台生産する計画だ。スーパーファクトリーが完成して生産が始まれば、テスラの生産能力が拡大し、中国市場への効果的参入という目標の達成が容易となる。
李強・上海党書記は7月10日、テスラのイーロン・マスク(Elon Reeve Musk)会長兼CEOと接見した時、「今年11月に上海で開催される第1回輸入博覧会は、中国が主体的に世界に向けて市場を開放するための重要な措置であり、各国の企業が新製品を紹介するための重要なプラットフォームだ。テスラが博覧会に出展して最新の技術と良質な製品を紹介し、経済・貿易発展のチャンスを共有するのを歓迎する」と述べた。
自動車分野での市場開放をさらに進める
7月10日、上海市政府と米テスラは協力覚書に調印し、上海臨港管理委員会、臨港集団とも純粋電気自動車プロジェクトの投資契約を結んだ。
テスラが上海で単独投資のスーパーファクトリーを建設できたのは、7月28日に施行された「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2018年版)」が縮小した恩恵を受けたからだ。このネガティブリストは、スペシャルカー、新エネルギー車を除いて、完成車製造における中国側の出資比率は50%を下回ってはならず、同一の外国投資者は同類の完成車製品を生産する合弁企業を中国国内で2社まで設立できると明確に述べている。