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2025年12月、FOMC(米連邦公開市場委員会)は3会合連続の0.25%利下げでFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標は3.5~3.75%となった。市場の焦点は26年の利下げ回数だ。FOMC参加者の見通しはドットチャートで中央値こそ「1回」でも分布は広く、中立金利観も割れる。統計遅延で視界不良のまま判断した側面に加え、5月の議長任期満了と「トランプ派」増勢が不透明感を加速させる。(マーケットコンシェルジュ代表 上野泰也)
据え置き、0.5%引き下げ双方の
主張で投じられた反対票
物価の高止まりリスクは消えていないものの、雇用の下振れリスクへの予防的な対応を優先すべきとする意見が引き続き優勢となり、2025年12月9・10日に開催された25年最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、3会合連続の0.25%ポイント利下げを賛成多数で決定した。
11月21日のウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁発言以降、利下げありが市場の多数説になっていたため、意外性はない。
反対票を投じたのは、0.5%ポイントの利下げを主張した「トランプ派」のミランFRB(米連邦準備制度理事会)理事と、金利据え置きを主張したグールズビー・シカゴ連銀総裁およびシュミッド・カンザスシティー連銀総裁である。
24年は9~12月に3会合連続で計1%ポイント、25年は9~12月に3会合連続で計0.75%ポイントの利下げが行われた。それらの結果、米国の主要政策金利であるFF(フェデラルファンド金利)レート誘導水準は3.5~3.75%にまで下がった(図表1参照)。
市場が関心を抱いているのは、26年に米国の政策金利はどう動くのかという点である。米国債や為替の値動きに大きく影響してくるテーマだが、流動的な要因が幾つかあるため、市場の見方は収束しにくい。
次ページでは、今回明らかになった最新の「ドットチャート」(FOMC参加者による政策金利見通し)などを基に、26年の金融政策の動向を検証する。








