NHK「原爆と沈黙~長崎浦上の受難~」
子ども向けに書籍化
この『ゲンバクと呼ばれた少年』は、さながらギリシャ神話の最高神ゼウスが人類最初の女性パンドラに与えた箱の中からあふれ出た、戦争、貧困、疫病、憎悪といった人類を取り巻くあらゆる災禍と、それでも箱の底に最後に残されたかすかな希望の物語のようである。
本書は、昨年8月に放送されたNHK・ETV特集「原爆と沈黙~長崎浦上の受難~」の内容を、子ども向けに書籍化したものである。終戦記念日が近づく盛夏のこの時期に、どうしても読まずにはいられず手に取ってみた。
本書は次のような言葉で締めくくられている。
“子どもたちに話をするときに、必ず聞くことがあります。
「差別やいじめはなくなると思いますか?」
ほとんどの子が「なくなりません」と答えます。
しかし、僕ははっきりと信じています。必ずなくすことができると信じています。
(中略)