国内メルカリは堅調

 赤字を拡大させているメルカリだが、決算をひもとくと、実は国内のメルカリ事業は堅調だ。

「現金」や「甲子園の土」の出品など、ネガティブに報じられることも多い中で、18年6月期の流通総額は3468億円と前年同期から5割近く伸び、月間アクティブユーザー数も同27%増の1075万人に到達した。

 フリマアプリで国内1強の地位を着実に固めており、18年6月期の売上高は334億円、営業利益は74億円と、いずれも前年同期から5割以上伸ばしている。

 つまり、海外事業と新規事業への投資が、メルカリの赤字拡大の原因なのである。

「海外市場は日本の10倍以上の規模」と山田会長は海外事業の可能性を強調し、とりわけ米国に対して積極投資する姿勢を明らかにしているが、懸念もある。

 18年6月期の米国の流通総額は2.1億ドルと前年同期から27%伸びたものの、伸び率に着目すると同67%から鈍化している。

 また、「メルカリ級の次の柱に育てたい」(山田会長)と期待を寄せる新規事業は「旅行」だが、その裏では、物品の現金化アプリや教育フリマアプリなど、3事業の8月中の閉鎖を決めている。「成長に時間がかかるならば、メルカリに注力した方がよいとシビアに判断した」と山田会長は語るものの、競合が多い旅行分野で新規事業が実を結ぶかは未知数だ。

 将来を見据えた赤字でも、成長が約束されているわけではない。ただ、稼げる国内事業に絞っても、頭打ちになってしまうことは事実だ。市場の信頼を得るために、「規律のある戦略投資」(メルカリ決算書)をいかに示していくかが、問われている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)