『週刊ダイヤモンド』2018年8月11・18日合併特大号の第一特集は「2018年版 決算書100本ノック!」。特集の発売に合わせた特設サイトでは過去の財務特集の人気記事や漫画などを無料で公開。今回は2018年8月11・18日号から「財務諸表からわかるメルカリとLINEの脱「PL脳」」を紹介。利益や売上高といった目先の経営数字に振り回されていては、事業環境が激変しやすい時代で成功はおぼつかない。日本の有望ベンチャーは赤字決算の裏で大胆な先行投資をしている。(掲載される数字は全て雑誌発売時点のもの)

 フリマアプリ国内最大手のメルカリが6月に上場し、初値で時価総額6760億円を付けるなど日本のベンチャーとして異例の高評価を受けた。国内で数少ないユニコーン(非上場で推定企業価値10億ドル超の有望ベンチャー)だったメルカリはこのまま世界へ羽ばたけるか──。

 その鍵を握るのは、元ミクシィ代表の朝倉祐介氏が近著『ファイナンス思考』で指摘する日本企業の「PL脳」問題だ。

 PL脳とは、目先の売り上げや利益を最大化することを目的視する、短絡的な思考態度を指すという。朝倉氏は「目先の損益計算書(PL)の数値にとらわれ、大きな構想を描きリスクを取って投資するという積極的な姿勢を欠き、結果として成長に向けた道筋を描くことができていない日本企業が多い」と警鐘を鳴らす。

 では、経済成長のけん引役として期待されるメルカリはどうか、ユニコーン組の“先輩”であるLINEと共に読み解いていこう。