純粋な志望球団の
表明は歓迎すべき

 一方、吉田投手の件については、なぜ、吉田投手が注意されなければならないのか、私には理解できない。どこのチームでも、行きたいならば、素直に行きたいと言えばよいではないか。なぜそれを制約する必要があるのだろうか。

 吉田投手は時の人となり、一挙手一投足が注目を集めるようになった。高校野球という純粋なスポーツ教育の場で、一投手の発言が、高校野球全体に影響を与えかねないという懸念は、わからないではない。

 しかし、次のような発言の文脈を見ても、吉田投手は自然に意思の発露をしたにすぎない。

吉田投手:いずれはプロ野球選手になって活躍したいです
記者:好きなチームは?
吉田投手:巨人です
記者:巨人に行きたいですか?
吉田投手:はい、行きたいです

 高野連は、「ドラフト制度があるので、プロ志望届を出した後であっても、特定の球団名を言うのはダメだと、各都道府県野球連盟に通達している」と説明する。しかし、素直な気持ちで好きな球団を言っている吉田投手は、なにもドラフト制度を批判しているわけでもないし、ドラフト制度に従わないと反旗を翻しているわけでもない。ただ単に「行ければ行きたい」という、気持ちの発露を制約する必要は全くない。

 事実、プロ野球各球団は、指名したら入団するかどうかの確度もひとつの要素として、誰を指名するか検討している。選手に対して希望球団について箝口令を出して、球団と選手に腹の探り合いなどをさせるくらいなら、希望する球団をどんどん言えばよいと思うのだ。