老後資金が急減した夫婦の危機Photo:PIXTA

老後資金を3000万円も
準備したのに…

 定年退職を迎えた後、つまり老後をどのように暮らしていこうかと考える方は多いものです。退職金も昔に比べると減っているし、年金も先細りするという。そうした状況の中、老後資金が底をつかないようにするため、再雇用制度を利用したり再就職をしたりして、収入を得る暮らし方を選ぶ人が、非常に増えていると感じています。

 定年に向けて大切なことは何か。現役時代に「蓄え」を作っておくことも大切ですが、子育てが終了した後、生活の“レベル”を落としておくということも大切なこと。意外とそこを見落としてしまう人が少なくありません。

 再雇用制度を利用し、今も現役で仕事を続けているKさん(63歳)は退職時、2000万円の退職金をもらいました。その段階で1000万円近く貯蓄することもでき、合わせた老後資金は3000万円ほど準備できました。

 ただ、住宅ローンが70歳まで残っているため、年金がもらえる65歳までの間を無職でいることはきついと感じ、再雇用制度を利用して働くことにしました。現役時代の収入もよかったのですが、再雇用でもかなりいい条件で働くことがき、収入は月の手取りで30万円ほどもらえました。