話し方講師・櫻井弘氏の新刊書『ちょっと言いかえるだけ!気のきいた「話し方」ができる本』の中から、「会話力」がみるみる上達する極意を紹介していきます。今回も前回に引き続き、会話をスムーズに進めるためのスキル“櫻井メソッド”を伝授します。会話の間合いをうまく取り、雑談で話題に詰まっても回避できる、話し方の高等テクニックを習得しましょう。
櫻井メソッド(3)
鼻呼吸で「間」をつくる
私たち話し方講師の間で「間は命なり」と言われています。「間」とは、緊張から「自分を取り戻すための時間」であり、「集中して考えるための時間」ともいえるからです。たとえば、予想外の状況になったとき、窮地に立たされたときなど、この「間」を活用することで乗り切ることができます。
このとき大切なことは、いかにして自然なかたちで「間」をつくるか、ということです。かなり難しいテクニックなのですが、私たちプロの講師も使っている、「鼻呼吸」という方法があります。
ただ、この呼吸法を実際に行って上手に「間」を取りながら、インタラクティブ(双方向)のコミュニケーションを取っている人は、そう多くありません。それ以外のほとんどの人は「口呼吸」をしているのです。