◎交代勤務制

 救命救急センターは入院部門とER医による外来部門に分かれており、入院部門はICU(集中治療室)と病棟の入院患者だけ、外来部門は外来患者しか診ない。入院部門は6人でグループ診療をしており、それぞれの患者を全員で診て、夜間休日は当番医が交代で診るシステムだ。これにより交代勤務制が可能になり、自分の休日に呼びだされることもない。

 おかげで、主治医制の他科と異なり、救命救急センターの時間外労働は法定時間内の平均70時間台に収まっている。

◎地域全体で救命救急を担う

「満床で受け入れられない」という事態を回避するために、地域連携推進課を設け、近隣の開業医や中核病院と協力体制を組んで、患者の入院・転院がスムーズに行えるようにしている。

◎専従の精神科医を配置

 救急の現場では、「精神疾患がある」「自殺を図る」などした患者の受け入れが断られるケースが多く、問題になっている。「精神科医がいない」「暴れる」「自傷の恐れがある」などが理由だが、中央市民病院では、そうした患者も断らないための体制づくりとして、16年に、精神科身体合併症棟(8床)を設け、専従の精神科医を配置。さらにセンターのナース129人全員が、ローテーションで精神科での勤務を経験し、精神科疾患への理解を深めた。

◎女性医師の活躍

 12名いる医師のうち6名が女性医師。これは「医師の労働環境がまっとうであることと、良質の医療を提供できている証し」だと有吉センター長は考えている。

「『ドクターカーやドクターヘリで急行し、緊急手術をして、毎日当然のように忙しく、時に殺伐として働いている、でもカッコよくて素敵(すてき)』というのが、ステレオタイプな救急医像ですが、僕は反対です。人生の7割以上は仕事以外が占めており、仕事以外の生活を大事にしてこそ良い医療ができる。うちの女性医師たちは、そうした医療の実践者。何人たりとも蔑ろにせず、させず、優しさと思いやりを持って『断らない救急』を提供しています」