森保ジャパン新生日本代表は「リオ五輪世代」が中心になっていく Photo:JFA/AFLO

コスタリカ代表に快勝し、順風満帆に船出した新生日本代表が力強い鼓動を奏で始めている。オリンピックの6年後に開催されるワールドカップで、若手から中堅へと成長を遂げた選手たちがチームを牽引する――1996年のアトランタオリンピックから脈々と刻まれてきたこの系譜。4年後のワールドカップ・カタール大会へ向けて、ボランチで先発フル出場した25歳の遠藤航(シントトロイデンVV/ベルギー)の言葉から、1993年1月1日以降に生まれたリオデジャネイロ五輪世代の覚悟と決意を追った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

オリンピックで活躍した選手が
6年後のワールドカップで主軸を担う法則

 法則と呼ぶと、ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれない。それでも、日本代表チームの歴史を振り返れば、法則のように映る「流れ」が脈々と受け継がれてきていることが分かる。オリンピックの6年後に開催されるワールドカップで、若手から中堅へと成長した選手たちが主軸を務めることだ。

 オリンピックには1992年のバルセロナ大会から、開催時で「23歳以下」という年齢制限が設けられた。そして、銅メダルを獲得した1968年のメキシコ大会以来、実に28年ぶりにヒノキ舞台に戻って来た1996年のアトランタ大会から、日本はオリンピックの常連となっている。

 ワールドカップにおいても、悲願の初出場を果たした1998年のフランス大会以降はすべてアジア代表を勝ち取ってきた。その中で冒頭で記した「流れ」が生まれた。例えば19歳でアトランタ大会に出場したDF松田直樹(故人)は、6年後の2002年のワールドカップ日韓共催大会で、史上初のベスト16へ進出したトルシエジャパンの最終ラインで存在感を放った。

 ベスト8に進出した2000年のシドニーオリンピック代表からは、DF中澤佑二、FW高原直泰、そしてMF中村俊輔が6年後のワールドカップ・ドイツ大会で中心を担った。

 2004年のアテネオリンピック代表には、6年後に南アフリカの地で岡田ジャパンのベスト16進出に貢献するDF田中マルクス闘莉王、DF駒野友一、MF阿部勇樹、MF松井大輔、FW大久保嘉人が名前を連ねた。オリンピック代表には選出されなかったが、GK川島永嗣とMF長谷部誠もアテネ世代であり、南アフリカ大会から3大会連続でワールドカップを戦っている。