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野上麻理・新社長。前の職場は人員整理の激しさから、業界内で「リストラゼネカ」とやゆされる Photo by Masataka Tsuchimoto

 医療用医薬品で国内トップの武田薬品工業。その子会社で大衆薬大手の武田コンシューマーヘルスケアは3月末から事実上、社長が空席だった。今月、メガファーマ(巨大製薬会社)である英アストラゼネカ日本法人の呼吸器事業本部長だった野上麻理氏(49歳)が就任し、社内には期待と不安の声が錯綜する。

 かねて、「新社長が担うのはリストラと売却へのロードマップ」と、業界関係者は声を潜めて話していた。親会社から人員(500人弱)が多いと指摘されているとうわさされ、後述するように身売りの観測も広がっていたためだ。

 武田薬品の一事業部門が100%子会社として事業開始したのは2017年4月。業界団体の日本OTC医薬品協会長も兼ねた杉本雅史社長(当時)は「アジアのリーディングカンパニーになる」と意欲満々で、当面続投とみられていた。だが今年3月、取締役、協会長共に任期を残して突然社長を退任し、業界内に衝撃が走った。

 表向きの理由は「事業開始から1年を区切りとして」(同社)。だがある幹部は「子会社化直後は独立独歩の雰囲気だったが、徐々に親会社の干渉が強まってきた」と証言。親会社との方向性のずれが退任につながった可能性がある。