廃棄だけが除却ではない
帳簿上だけで除却できる
固定資産を除却する方法として、廃棄する以外に実はもう1つ方法があります。
それが「有姿除却」です。
これは、物理的な廃棄処理はせず、帳簿上のみで除却する方法です。
次のいずれかに該当すれば、たとえ廃棄していなくても、除却損として経費で処理できます。
(1)その使用をストップし、今後、通常の方法では事業に使わないと認められるもの
(2)特定製品のために使っていた金型等で、その製品の生産を中止したことにより、将来使用される可能性がほとんどないことが明らかなもの
有姿除却をする設備については、写真を撮り、現在の状況、今後の見通しを細かく記録しておきます。取締役会あるいは稟議書でも承認をとりましょう。
顧問先の店舗を視察すると、議事録で除却したことになっているショーケースが現場に置かれていました。
「社長、これは除却したはずのショーケースですよね?」
「大丈夫です。こっちの(実は除却していないという)エビデンスは残していませんから」
エビデンス第一主義をくれぐれも誤解なさらないように。