中小企業やオーナー会社の一番の悩みは、稼いだお金の流出をいかに防ぐか。決算書を見るたび、せっかく稼いだお金が無策のまま税金などで流出しているのを嘆いているだけではいけない。『会社にお金を残したいなら今すぐ経費を増やしなさい』の著者に、中小企業向けの節税のポイントを聞く。
設備の棚卸も
きちんと行おう
設備の管理は、在庫の管理と同じで、(1)設備も棚卸して帳簿と現物が合っているか確認すること、(2)使わない設備は売却か除却(廃棄)して経費で処理することが大切です。
設備は、1年を通して頻繁に入れ替えることは少ないです。ですから、棚卸は3年に1度のペースで、帳簿と現物が合っているか確認してください。
とはいっても、もう5年も10年も棚卸をしていないという会社のほうが多いと思います。
顧問先に固定資産の棚卸をしてもらうと、どの会社でも似たような報告になります。
「台帳に載っているのに、現物が見当たりません」
「台帳に載っている設備が、現場でどれに当てはまるのかわかりません」
「台帳に載ってないのに、現物がありました」
これらを防ぐには、固定資産の台帳登録に関して次のようなルールを定めることです。
・現物に管理用のシールを貼付する
・シールには管理番号(記号、番号)、メーカー、取得年月日を記載する
・台帳における登録名とシール上の名称を同じにする
・台帳の摘要欄に保管場所を記載し、設備を移動した場合には更新する
・設備を売却あるいは除却(廃棄)するときは、社内稟議を上げさせる