そもそも、レリアンの買収額自体には疑問の声が出ていた。一部では、125億円超の資産価値があるとされていたからだ。実際、伊藤忠よりも高額な買収価格を提示した外資系ファンドの存在があったともいわれている。

 少し話はそれるが、商社が収益を上げるのは、何も原材料の提供やロジスティック面のサポートだけではない。いったん資本参加という形で商社が入り込むと、それ以外の収益確保の仕組みが用意されている。

 今は存在自体がなくなってしまったアパレル会社の元幹部は、「(資本を注入してもらった商社には)一定程度の商いを作るようにしていた。それにかかった費用は、原材料の調達費用に加えていた」と説明している。そうした“忖度”がないと、商社から「有形無形の圧力がかかってくる」からだという。

下着メーカーをライザップに売って
300%近くのリターンを得る

 話を戻そう。

 伊藤忠が完全子会社化したユニー・ファミリーマートホールディングスは、海外事業を売却するにとどまらず、100%子会社の総合スーパー(GMS)事業を展開していたユニーにドンキホーテホールディングスの資本を40%入れている。これは、親会社である伊藤忠から見れば、不採算事業の売却を進めたことになる。

 そもそも、コンビニエンスストア業界のガリバーであるセブン−イレブン追撃に向け、サークルKサンクスを手中に収めることが最大の目的だった伊藤忠とファミリーマートにとって、GMSのユニーはお荷物でしかなかったからだ。

 旧来型の商社ビジネスではなく、ファンドと同様の動きをする伊藤忠。昨年はそうした動きが極めて活発で、不二製油の出資比率を26.8%から3分の1超の33.4%に高めたほか、ヤナセを株式公開買い付け(TOB)で子会社化した。

 また、傘下に収めたユニー・ファミリーマートと共同で、ポケットカードの持株比率を80%まで引き上げた(それに伴ってポケットカードは上場廃止)のに加え、プリマハムの株式を買い増し現時点では約40%と、筆頭株主になっている。